2011年10月30日

 夏に続き、ジャズライブをカフェー桜乃において企画しております。今回もVOの大島さんを始め、前回出演のベースの川上さんをお迎えし、川上トリオとしてピアノ緒方さん・ドラム中村さんにも加わっていただきました。九州のジャズ界では第一人者の方々ばかりで大いに期待が出来ますので、皆さまのご来場をお待ちしております。


 第3回カフェー「桜乃」
        ジャズライブ

期日 12月3日(土)

時間 開場19時  開演19時半

場所 カフェー「桜乃」佐賀市駅前中央 2−10−28

料金 3000円  ワンドリンク付き

定員 約30名様

出演者
  「大島麻池子と川上俊彦トリオ」  

ベース  川上俊彦

 ピアノ  緒方公治 

 ドラム  中村 健

V O 大島麻池子

      九州ジャズ界で大活躍中のアーティスト   
   ジャズライブについての問い合わせ先
        カフェー 桜乃 
     くつろぎの大人の宿 古天神 オーナー  井崎
                             
posted by 風のテラス 古天神 at 17:53 | Comment(0) | 風のテラス便り

2011年10月12日

 食材の購入や雑用品の買い物、その他の用事には地元の小国町に出かけます。ファームロードワイタの方が道は広いのですが、地元の人しか通らない山の中の細い曲がりくねった道を利用させてもらっています。半分の時間で着きますので大いに助かっています。寺尾野 原 大鶴等の小さな集落がいくつか道沿いに連なっています。まだよそ者の道行く私たちにさえ頭を下げていただき、地元の人の人情の厚さに忘れていたものを思い出させてもらっています。佐賀の町ではもう薄くなってしまっている、人との深いつながりの大切さを知らされました。さすがに、ツーリズムの先進地であり都会の人が憧れて住み着きたくなる町であることを実感しました。

 冬に備えて温泉のボイラー等や外構等の工事は残っていますが、激流を下っていたようなオープン時の慌ただしさは収まり、宿での生活も落ち着きを取り戻しつつあります。もちろん、お客様をお迎えすると忙しくなりますが、オープン当初は全く先が見えてなくて、段取りも応対も皆目見当がつかず不安と緊張の中、ただ目の前のお客様の対応を精一杯努めるだけでした。ゆとりも、余裕もなく、ただがむしゃらに働いていたような気がします。おかげで、オープン時のお客様には様々なご不便やご迷惑をお掛けしたことを今更ながら、お詫び申し上げます。

 やっと少しだけ宿の生活に慣れてきますと、周りが見えて来ました。小国までの山道にはコスモスが風にそよいでいるのです。もう、一部の田圃では稲刈りも済んでいました。彼岸花やコスモスや渓流の流れも目に入らず、ひたすら未知の宿の道を拓くために走り続けていました。物事を新たに始めるには、相当な労力が要ることは覚悟はしていたつもりでしたが、遙かに想像を超える多忙さに圧倒されました。しかしながら、利用していただいたお客様の喜びの声をダイレクトに受けることが出来るのが、この仕事の醍醐味かとも思い知らされました。やることなすこと初めてのことで、あたふたとぎこちない中でも新たな仕事の新鮮さに感激しながら包丁を握っていました。厨房からテラスの窓を通して見えるあふれる緑が、胸の奥まで染み渡っていくのも感じていました。その厨房をこれからの拠点として、お客様に驚きかつ喜んでいただける新たな味を、自在に操れることが出来る日を目指して、日々精進していくつもりでいます。

 小国までの山道を走りながら、私の中にあった原風景に出会えたような喜びを感じています。私の生まれた佐賀駅近くも50年前は見渡す限り田畑しかありませんでした。両親は元気に農作業に励んでいました。テレビもなかった村の子供にとって、村の祭りや年1回の村の旅行は楽しみの一つであり仲間との絆を確認する場でもありました。子供時代に過ごした田園の風景が私の原風景です。町が次第に都市化されていくことに馴染めず、疎外感と違和感を抱き続けていたのでした。私を育んだのは田舎の土であり風なのです。大人になっていくにつれて、私は私の景色を喪失したまま、ふる里を見失ったまま、この小国の地にたどり着くまで、ふる里の情景を求めて漂っていたのかもしれません。そんな思いにさせる小国の里の景色なのです。

 小国に行く途中の流れていく景色には、里の人々の現実の生活は見えません。しかしながら、里の人々を育む土も風もここではいまだ健在なので、都会人と心のありようが違うのは予測がつきます。都会の生活が何故に疲れるのか理由がここに住んで見えてきました。都会では人間の欲望がをむき出しになっていくような景色だったのです。人々の見栄や欲望を刺激するネオンや看板はありません。身の丈にあった生活が出来るのです。他人に思いを馳せるゆとりをなくすのも熾烈な都会の生活では仕方もないかもしれません。もちろん、都会には人間の欲望がむき出しになっているからこその魔力もあり魅力もあります。都会でしか住めない人が居るのも事実です。そういう疲れた都会の人にも安らぎを与えるのが、緑とせせらぎと鳥の声しか聞こえない、この古天神の魅力でもあります。

 里の景色の中、里の人々の暮らしの中、私のふる里の景色を取り戻したこの地で、秋の山道を、コスモスの咲き乱れる里の道を、小国へ食材を求めて明日も走ります。

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           小国までの買い物道      

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棚田のような田圃 陰干し米の新米を隣の農家に予約

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       この宿の名前の由来の地名 ふるてんじん橋 
       宿の横を流れる川の名は蛭石(ひるいし)川
           筑後川の源流の一つ
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        宿の前のファームロードワイタ わいた温泉方面


 オープン時に限らず、今でもお祝いをいただいてます。佐賀に帰ったおり届けていただいたり、宿に持参していただいたり皆さまのお気持ちに、期待に応えるように女将とともに頑張りますのでよろしくお願い致します。皆さまの温かい応援に支えられていることに感謝しながら、近づきつつある紅葉のシーズンに迎えるお客様の準備をしております。


     12月分の宿泊の予約お受け致しております。


                   古天神オーナー 井崎
                   23年10月12日

posted by 風のテラス 古天神 at 23:00 | Comment(0) | 風のテラス便り