2015年01月18日

27年 1月 古天神 俳句

谷底に落ちる気配よ月凍る

冬兎轢かれた耳の白さかな

問いただす視線漂い霰降る

薪はじけ独居の眠り深くなる

葉を落とすクヌギ林は星の棲む

冬枯れのクヌギも枝で探し出す

轢かれたる白兎(はくと)の涙凍りゆく

菫らを眠らす野原未だ霜

冬の月背に貼り付けて角曲がる

戸を閉めてより人を恋ふ寒の月

冬灯り探し求めて街を漕ぐ

ゆらゆらと情念の人雪溶かす

枯れ野さえ情念ゆらり焼き尽くす

買い物の籠も寂しげ松の内

言いしれぬ寂しき夜に雪灯り

屠蘇吞まぬ元日となる父居らず

なまこ食ふ正月の朝消えたまま

27年1月18日

古天神  井崎
posted by 風のテラス 古天神 at 22:09 | Comment(0) | 風のテラス便り
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