谷底に落ちる気配よ月凍る
冬兎轢かれた耳の白さかな
問いただす視線漂い霰降る
薪はじけ独居の眠り深くなる
葉を落とすクヌギ林は星の棲む
冬枯れのクヌギも枝で探し出す
轢かれたる白兎(はくと)の涙凍りゆく
菫らを眠らす野原未だ霜
冬の月背に貼り付けて角曲がる
戸を閉めてより人を恋ふ寒の月
冬灯り探し求めて街を漕ぐ
ゆらゆらと情念の人雪溶かす
枯れ野さえ情念ゆらり焼き尽くす
買い物の籠も寂しげ松の内
言いしれぬ寂しき夜に雪灯り
屠蘇吞まぬ元日となる父居らず
なまこ食ふ正月の朝消えたまま
27年1月18日
古天神 井崎
冬兎轢かれた耳の白さかな
問いただす視線漂い霰降る
薪はじけ独居の眠り深くなる
葉を落とすクヌギ林は星の棲む
冬枯れのクヌギも枝で探し出す
轢かれたる白兎(はくと)の涙凍りゆく
菫らを眠らす野原未だ霜
冬の月背に貼り付けて角曲がる
戸を閉めてより人を恋ふ寒の月
冬灯り探し求めて街を漕ぐ
ゆらゆらと情念の人雪溶かす
枯れ野さえ情念ゆらり焼き尽くす
買い物の籠も寂しげ松の内
言いしれぬ寂しき夜に雪灯り
屠蘇吞まぬ元日となる父居らず
なまこ食ふ正月の朝消えたまま
27年1月18日
古天神 井崎